NISAとiDeCoどっちを選ぶ?違いと判断のポイント5つを徹底解説

資産運用を始めるうえでよくある悩みが「NISAとiDeCoどっちを先に始めればいいの?」という疑問です。どちらも節税メリットがある優秀な制度ですが、それぞれの特徴や仕組みは意外と複雑で、人によって節税効果や受け取り時の税金額も変わってくるため、とりあえずで始めると損をすることもあります

この記事では、NISAとiDeCoの違いを一覧表でわかりやすくまとめた上で、どちらがおすすめか判断できる5つの重要ポイントで徹底解説します。

目次

【一覧表あり】NISAとiDeCoどっちがおすすめ?

比較項目NISAiDeCo(企業型DCも同じです)
投資上限額月30万円月2~6.8万円
※会社員なら企業型DCと合わせて月6.2万円が限度
運用/管理コスト信託報酬信託報酬+口座管理手数料(月数百円)
購入できる銘柄オルカンやS&P500など主要銘柄は網羅オルカンやS&P500など主要銘柄は網羅
使いやすさ・引き出しの自由度いつでも引き出せる60歳まで引き出せない
投資時の節税効果なし掛金が所得控除(自分の税率×掛金分)
運用時の節税効果非課税非課税
受け取り時の税金なし課税される

NISAを軸に考えると、iDeCoのメリットは投資時に掛金が所得控除になり節税できることで、デメリットは60歳まで引き出せないことと受け取り時に税金がかかることです(他にもiDeCoは口座管理手数料がかかるなど違いはありますが、まずは細かな部分は一旦無視して重要な部分を見て検討するのが良いです)。

詳しい考え方は後ほど解説しますが、まずは大まかな結論だけ知りたい人向けにおすすめな人を解説します。

NISAがおすすめな人

NISAがおすすめな人は、投資初心者や収入が無いまたは少ない人です。また、ややこしい計算などしたくない方にはNISAを活用するのをおすすめします。

  • 投資を今からスタートする人
  • 専業主婦やパートの人
  • 難しいことを考えたくない人
  • 60歳までに必要なお金を投資する人

iDeCoがおすすめな人

iDeCoがおすすめな人は、収入が多い、上手に節税をしたい、合理的にお得になる判断をしたい人です。

  • 年収が多い人(1,000万超えなら尚更)
  • 節税を上手に活用したい人
  • とにかく最適解を見つけたい人
トク

資金に余裕があれば両方使うのもありです。例えば、月10万円を投資できるならNISAに8万円とiDeCoに2万円のように分けるのも良いと思います。

NISAとiDeCoの比較で考えるべきポイント5つ

NISAとiDeCoのどちらが良いかは、投資の目的や今の年収、退職金の多さ、受け取り時にいくらになっているかなど複数の要因で決まるので、人によります。考えるべきポイント5つを紹介するので、ぜひ自分の家庭に当てはめてみてくださいね。

ここから説明するケースの前提条件

  • 40歳の会社員で退職時には勤続40年を想定
  • 年収1,500万円で退職金2,000万円
  • 老後資金のために投資を検討中
  • NISAとiDeCoどちらも枠は余っている
  • iDeCoは月2万円で年利7%想定
  • iDeCoは退職金と同時に一括受け取り

考えるべきポイント①「60歳まで引き出せなくても問題ない?」

投資をする目的は何ですか?もし、教育費や直近の生活費など60歳までに使うことを目的とするならiDeCoは手段として不適切なので、NISAを活用しましょう

一方、老後資金を目的とするなら60歳まで引き出せないことがデメリットに感じないので、NISAよりiDeCoの方が有利になりやすいです。

考えるべきポイント②「投資時にいくら節税できる?」

iDeCoがNISAと比べて有利なのは、投資時に節税できることです。掛金×自分の税率(所得税と住民税)が節税になり、特に高所得者は効果が大きくなります

例えば、所得税率33%(収入による)+住民税率10%(一律)の合計43%の人が、月2万円(年間24万円)をiDeCoで投資した場合、24万円×43%=約10万円も節税できます。この先、20年継続するなら200万円も節税になります。

ただし、パートで所得税率が低い場合は、節税効果は小さくなります。扶養内で働いている方なら所得税率5%と住民税率10%の合計15%程度で、月2万円投資しても節税額は3.6万円です(専業主婦で所得が無い場合は節税効果なし)。

自分の所得税率の計算方法は下記をご覧ください。

トク

節税と言っても人によって効果が変わるので、自分に合っているか考えるのが大切です!

考えるべきポイント③「節税できた分は運用する?」

②で計算した節税分をNISAや特定口座で運用するかしないかによっても結論が変わります。対等に比較するなら節税分も運用する前提で考えた方が良いです。

もし、節税分の年間10万円(月0.83万円)を年利7%で運用できたら、20年後には434万円程度(元本200万円+利益234万円)になる計算です。もちろん、人によって想定する年利は異なるので、自分の考えに合わせて計算してくださいね。

考えるべきポイント④「受け取り時にいくら税金がかかる?」

意外と抜けているのが、iDeCoは受け取り時に税金がかかること。しかも、利益だけでなく元本も含めた金額に税金がかかります。

受け取り方は退職金or年金のどちらか選べて、どちらがお得かは退職金の金額や勤続年数、年金額、収入などの要因によって答えは変わります。基本は退職金として一括で受け取るのがお得な場合が多いので、退職金で受け取る前提で話していきます。

例えば、勤続年数40年、退職金2,000万、iDeCo1,000万(元本+利益の総額)の会社員で考えてみましょう。

まず、退職金とiDeCoを合計して3,000万円が退職所得の対象になる収入です。ただ、3,000万円に税金がかかるのではなく、一定額は差し引いていい仕組みになっています(退職所得控除といいます)。2025年現在は勤続年数1年あたり40万円、21年目以降は1年あたり70万円を差し引けます。

つまり、3,000万円ー(20年×40万+20年×70万)=800万円になります。さらに、最後に半分にしていいルールになっているので800万円÷2=400万円が税金の対象です。400万円にかかる税金は下表に当てはめて計算すればいいので、400万円×20%ー427,500円=372,500円が支払う所得税額とわかります。

これに加えて住民税10%で約40万円も支払うので、合計で約77万円も税金を払うことに。iDeCoではなくNISAを利用していたら退職金2,000万円のみで一定額を差し引いて0円になって税金は0円だったので、iDeCoを活用して増えた税金は約77万円ということになります。

所得金額所得税率控除額
195万円まで5%0円
195万円 から 330万円まで10%97,500円
330万円 から 695万円まで20%427,500円
695万円 から 900万円まで23%636,000円
900万円 から 1,800万円まで33%1,536,000円
1800万円 から 4,000万円まで40%2,796,000円
4000万円 以上45%4,796,000円

税金の基礎知識は下記記事を参考にしてください。

トク

正直、複雑で理解は難しいですが、最適解を求めたい方は必要な知識です!細かく考えたくないや迷う方は、とりあえずNISAでもOKです。

考えるべきポイント⑤「今後改悪しないと政府を信じられる?」

意外とリスクなのが、政府による制度の改悪です。まだ致命的な改悪はないですが、今後どうなるかは不明です。我々が60歳になるまでに今の制度が継続されるかというコントロールできないリスクがあることも理解しておきましょう。政府を全く信じられないならNISAだけにするのも良いと思います。

上記5つのポイントを踏まえて、NISAかiDeCoのどちらが自分に合っているか考えてみてください。今回の仮定条件で考えた場合は、下記の通りです。

  • 投資時の節税額は約200万円
  • 節税分の運用で利益が約234万円
  • 受け取り時の税金は約77万円

つまり、NISAと比べてiDeCoを使った場合は、節税200万円+節税分の運用234万円ー受け取り時の税金77万円=357万円もお得になるので、お金の面だけで言えばiDeCoが適しています。

トク

勤続年数や退職金、運用利回りなど変数が多いので、自分で計算してみてくださいね!

よくある質問

専業主婦やパートでもiDeCoを使う意味はありますか?

所得控除が使えないため「節税メリット」は期待できませんが、長期の資産形成には有効です。とはいえ60歳まで引き出せないので、使いやすさを重視するならNISAの方がおすすめです。

制度が将来変わったらどうなりますか?

今後、税制や受け取りルールが変わる可能性はゼロではありません。制度を100%信じられないという方は、流動性の高いNISAを中心にするのも一つの考え方です。

企業型DC(企業型確定拠出年金)とiDeCoはどちらが優先ですか?

企業型DC(企業型確定拠出年金)が優先です。なぜなら、基本的な特徴に違いはなく、企業型DCは運営コストを会社が負担してくれる点で優位だからです。

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